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誰も知らない福祉年金

 国民年金ができた昭和34年に、すでに高齢、重度障害、母子世帯となっている人は保険で救うことができないので、低額な福祉年金というものを即座に出した。ただ、これも受給漏れがある。
 15年ほど前、ある福祉事務所に勤務している時、他の職員の持ちケースで、元戦災孤児で以来病院で過ごしている単身者という世帯があった。知的障害者で生活保護へは病院がつないだのであろう。収入は生活保護費がすべてである。
 もう60代であった。戸籍もない。無年金者である。今から戸籍をつくり、生活保護受給による免除期間だけの老齢基礎年金をもらっても、生活保護から引かれるだけ。それで終わりだろうか。
 否。重度なら昭和40年から障害福祉年金が支給されたはず。昭和61年に1級の障害基礎年金に変更されて今では8万円以上の年金が出ているはず、である。
 当時その指摘をしたものの、その後どうなったか確かめていない。