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年金は最低生活保障機能を取り戻せ

 生活保護のケースワーカーを15年もやったので、国が定める最低生活というものの感覚はある。それと現在の年金額がいかにも中途半端ということも。都市部の老夫婦2人で賃貸住宅なら15万程度ではないか。

 これは高橋 芳樹さんの本で教えられたが、発足当初の国民年金は25年で農村部の生活保護基準と同額に設計されていた。厚年の定額部分もしかり。そもそも年金黎明期の厚生省では真剣に生活保護不要論がささやかれたとか。だが、基礎年金制度発足の頃このリンクは無視された。ご存知のとおり25年で5万の約束が40年で5万と大幅削減。年金満額でも生活保護基準に及ばない。金融庁は老後26万の暮らしを想定しているが、せめて20万基礎年金だけでまかなえなければ、所得保障制度とは言えまい。